ホーム > 家具屋のつぶやき > 大塚家具の販売方法について
2015年03月07日
家具のフクタケのつぶやき“勝久氏は家具小売業で2つの発明をした。1つ目は、家具メーカーからの直接仕入れ・・・
さらに通常の家具販売では、「売れ残ったものは返品する」という委託販売方式がメインだった。もちろん小売店のリスクは軽減する。代わりに、高価になる。”
という記事があります。
東洋経済の記事の中で“大塚家具の成長の要因とは何か”
大塚家具は家具業界では画期的な販売方法をとり業績を伸ばしたと記載されていました。
http://toyokeizai.net/articles/-/61988?page=2
かつてはこの販売方法が画期的だった時代もあったかもしれません。
私がフクタケに入社した1998年頃は
1975年に家具問屋として創業したと事もあり、入社時にはメインの仕入れ先はほとんどメーカーからの直接仕入れで、
売上の1~2割ぐらいは問屋が入っていただけで、委託販売は一点だけでした。
当時の街の家具屋でもごく普通の販売方法だったと思います。
弊社も一派的な家具屋ですが、上の図のような複雑な仕入れはしていません。
今の時代に問屋を通さず、国内のメーカーから直接仕入れるのはどこでも当たり前です。
弊社はノルウェーのエコーネス社のストレスレス®チェアが売上を3割を占めていますが、
エコーネス社が日本の子会社を設立してをしていてそこから仕入れていて、直輸入では無いです。
しかし、ヨーロッパの現地価格との販売価格の差は30万円ぐらいのモデルで4〜5万円の差額で破格に安く販売されています。
これは昨年に私がドイツ国内の家具屋確認して来ましたので間違いありませんし、直輸入の必要性は全くありません。
今では入社時には取扱の出来なかった家具メーカーとも直接仕入れ出来る様になっています。
現在は問屋からの仕入れは数%、委託販売は無しでメーカーからの直接仕入れは今や常識。
大塚家具が商品の企画販売までしているから安く仕入れが出来るそうですが、この部分はどこまで大塚家具が関わっているか私にはわからない。
ただ、そこのお店で企画したオリジナル家具は今やどこのお店でもやっている販売方法となっています。
弊社ではこういった販売方法はしません。
なぜならオリジナルで企画デザインした家具より、一流のメーカーが手をかけて作られる人気の売れ筋の商品の方が完成度は高い。
値段設定は自由に出来る為、粗利は確保出来るがお客様は結果的に高い買い物をする事になる。
本当に価格を下げる為に商品の企画デザインまでするとしたら、それなりにコストもかかると思います。
大塚家具の負担で販売する前には耐久試験なども行い問題があれば修正するなど当然行っているでしょうからね。
私が入社したフクタケ入社した1998年頃は大塚家具は飛ぶ鳥を落とす勢いで躍進していました。
やはり、大塚家具 父と娘の対立争点は?書きましたが、
大塚家具の急成長の要因は値段設定が自由に出来る輸入品(輸入独占契約を結んだ)の割合を増やしていった事が
急成長を遂げた大きな理由と考えるのが妥当でしょう。
そして、その販売方法に憧れを持った家具屋が同じ手法をそれぞれに出来る方法で取り入れていき
今の家具業界の現状があると私は考えます。
家具のフクタケ
小川直樹